最初に言っておくけど俺は女装して外を歩き回る変態です。
俺は小さい頃から
「可愛い」
とか
「女の子みたい」
とか言われてチヤホヤされてたもんだから、女の子になりたいとずっと思ってた。
小学の時は親に隠れて口紅塗ったりとか、中学では小遣いで安い服買ったり。
しかし、高校1年の時に父親のDVが原因で親が離婚、母側に俺はついていった。
母は俺の為に仕事を遅くまでしていた。
そこで1人になる時間が増えたもんだから、バイトの金でカツラを買って、誰にもバレない様に女装して外に出てみたりだの色んな事に挑戦していた。
そんで、高校3年生の時の話である。
■スペック
○俺
男、変態。
人から綺麗な顔立ちとは言われる。
身長は180cm。
○彼女
女
色白で可愛い。
身長は160くらい。
俺はいつもの様に女装をして服でも見に行こうと思って電車に乗っていた。
乗客は多く、とても座れるような状態でなく、吊り革を握ってドアの端に立っていた。
すると、近くに見た事のある制服の女の子が立っていた。
俺の学校から近い女子校で、この子も座れなかったのか…と思ってると、彼女は何かに怯えているかのようだった。
不意に彼女の下半身を目を遣ると、バックがお尻に当たって、離れて、当たって、離れてと、どう見ても意図的にやっているとしか見えない動きをしていた。
俺は痴漢だとすぐに分かった。
と同時に、彼女が怯えているのを見ると親のDVを思い出し、痴漢野郎に怒りが込み上げで来た。
俺は彼女の手を握り、自分の元に引っ張って彼女をドアに貼り付け、自分で覆い隠した。
彼女は私を見ると安心した様子で
「ありがとうございます…」
と一言だけ言った。
俺は返事をしたかったが、女装してる間は絶対に誰とも喋らないという自分の中の決まりがある。
なので、首を1回だけ縦に動かした。
降りる駅がたまたま一緒で、痴漢野郎をとっちめようと思ったが、俺は話せないし彼女は怯えて無理だろうし、痴漢野郎はこの駅で降りないし、まぁいいかと思った。
降りて改札口に向かう人達の中で、俺達はただ立ち尽くしていた。
人がいなくなると彼女が
「あの…本当に助かりました!」
と言って来た。
俺はいえいえと首を横に振った。
俺は彼女の背を押し改札口を指差し、駅を出ようという合図を行う。
彼女はそれを理解し、俺達は無言のまま改札口に向かった。
駅から出ると彼女は恥ずかしそうに
「お礼がしたいので、あそこに行きませんか?」
と、ファミレスを指差してそう言ってきた。
俺は服を見ようと思っていたが、せっかくの彼女の計らいなのでまた今度にする事にした。
俺は首を縦に振ると、彼女と一緒にファミレスへ向かった。
しかし、ここまで来て俺は重大な欠点に気づいた。
彼女とどうやって話すか…。
彼女もそろそろ何故喋らないのか考えている頃だろう。
そこで、俺が咄嗟に思いついたのはiPhoneでメモに伝えた事を書くというものだ。
ファミレスの端の席に2人で座り、iPhoneに
「私は訳あって喋れないのごめんなさい」
と書いて彼女に見せた。
彼女はそれを見ると少し驚いたが
「いえいえ大丈夫です」
と言いながら首を横に振った。
彼女はまず
「自己紹介してませんでしたね!私は美咲(仮名)といいます」
と言い、ペコっと頭を下げた。
俺はiPhoneで『私は俺って名前だよ~』
書いた名前は最後に子をつける、なんとも簡単なものだった。
「ゆう」→「ゆう子」みたいな感じ。
次に彼女は
「○○女子校に通ってる高校2年生です」
と言って来た。
俺はとりあえず、高校生というのはまずいと思ったので
『20の大学生やってる』
とか書いていた。
それから俺達は3時間くらい話していた。
まぁ俺は喋ってないけど。
すると、彼女は
「そろそろ家に帰らないと怒られるので帰ります」
と言って席を立った。
俺は
『了解、お会計はしとくよ』
とだけ書き彼女の返事をした。
しかし彼女は思い出したかの様に席に着き、
「メアド交換しませんか?」
と言ってきた。
俺はメアドくらいならいいやと思い、彼女に教えた。
交換が終わると彼女は
「今日は楽しかったです!」
と言ってお辞儀をすると、自分の分の金を置いて走ってファミレスから出て行った。
あの急ぎ様じゃ相当厳しい家庭なんだろうな…俺はその後1時間ばかしファミレスのドリンクバーを堪能して家に帰った。
家に帰ると早速彼女からメールが来た。
『助けて頂いた上にあんなに楽しい時間を過ごさせて頂きありがとうございます』
俺はすぐに返信した。
「こちらこそ楽しかったよ!電車では端っこに寄る事。いいね?」
送信すると俺のメール待っていたのかすぐに返信が帰って来た。
「了解です!これからは気をつけます(顔文字)」
俺たちはその後もやり取りを続けた。
しかし、1時間くらいメールをしていると向こうから
『今度の日曜日遊びに行きませんか?』
というメールが来た。
俺は悩んだ。
こんな関係を続けていても彼女に良い事はない。
それにいつかバレたら俺の人生も終わるかも。
女装した状態でこんなに人に関わったのは今まで初めてだった。
だがここで関係を切ってしまったら彼女はそれで悲しむだろう
そう思い、俺は
「今度の日曜日ね。分かった」
と返信をした。
すぐにメールは返ってきた。
『やった!楽しみしてますね(顔文字)』
メールを見るだけで彼女が嬉しがる表情が思い浮かぶ。
本当にこれでいいのだろうか…。
俺は次の日学校に向かった。
今は月曜日まだ日にちはある!
学校までは電車で行くんだけど、その日訳あっていつもよりもかなり早い電車で登校した。
そのおかげで人は少なく座席に座れて良い事尽くし!
と思ったがそれもここまでの事だった。
彼女が乗って来たのだ…。
やばい…やばいやばい!
もしかしたら俺だって気づくかも!
俺は必死に顔を隠そうとした。
しかし、彼女は俺の前の座席に座った…。
やばぁぁぁぁい!!!
ここで立ってどこかに行くのも怪しまれるし、寝たふりをしようと考え俺は顔を伏せていた。
すると、俺はとことんついてない…。
「よっ!1!」
親友のタカ(仮名)が乗ってきたのだ。
この日は、タカと朝掃除すると約束があったからわざわざ早い電車に乗ったのだ。
しかも、彼女に伝えてある名前と俺の名前は子がついていないついているかの違い。
彼女は恐らくタカが俺の名前を呼んだのを聞いていただろう…。
俺はタカを無視してずっと寝たふりをしていた。
学校のある駅に着くと俺はすぐに立ち上がり電車を降りた。
かなり不自然だっただろう。
しかし俺はその場から少しでも早く逃げたかった。
学校に向かう途中タカが
「おい、どうしたんだよ」
と言ってきた。
まぁどう考えてもおかしな行動だったから何か聞かれるとは思っていた。
「いやちょと寝ぼけてた」
なんてのは嘘だけど。
「なんだよそれ(笑)お前寝てたから気づかなかっただろうけど、俺達の前にめっちゃ可愛い女の子がいたぞ」
タカも見たのか…。
「あんな女の子見れるんだったらいつも早起きしてこの電車でこようかな」
勝手にしろ!
俺はわざわざ危険なマネはしたくない!
タカとは小学校からの付き合いで、何でも相談できる1番の親友だ。
勿論女装の件も知っている。
しかし、タカがまさか美咲の事を好きになるなんてこの時は全然想像もしなかった…。
そんなこんなで日曜日になった。
俺は女装をして待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所に5分前に着いたのだが、彼女はもう既に待っていた。
彼女の私服はめっちゃ可愛いかった。
白のニットワンピにキャメル
下はお前らの好きなハイソックスを履いてた。
彼女は俺を見ると駆け寄って来て
「こんにちは!」
と言って来た。
挨拶は基本だね!
俺も威勢良く
「こんにちは!!」
って言いたいところだけど無理無理。
こんな時に役に立つのがiPhoneなんです。
『こんにちは』
俺はiPhoneのメモに書き、彼女に見せた。
「やっぱりそれなんですねw」
だってこれ使わないと男の声丸出しですもん。
俺は
『ごめんね~』
とだけ書いた。
彼女は
「いえいえ、大丈夫ですw」
と言うと次に
「喉が渇いたのであそこ行きませんか?」
と言ってカフェを指差した。
どうやら彼女には計画があるようだ。
俺はそれに頷き、2人で店の中に入った。
カフェに入ると、俺らは窓際の席に座り、俺はコーヒーを頼み彼女はココアを頼んだ。
俺はココアを頼んだ事が意外で
『ココアって可愛いね』
と書いた。
それを見ると
「コーヒーって苦手じゃないですか」
と言ったのが面白くて声を出して笑いそうになったw
しかし、そこは堪えて笑顔だけにした。
30分くらい話(俺は筆談)をしていると、オシッコに行きたくなった俺は彼女に
『トイレに行ってくる』
と伝えてトイレに向かった。
勿論…女子便所に入った。
用を足してトイレから出るとカウンター席にタカがいるのが見えた。
しかも友達を2人連れて…。
日曜日遊ぶとは言っていたが、まさか同じ所に来るとは…。タカは美咲の事を知っている。
ついでに、俺の女装姿も…。
俺が女装して女の子に近づいてるなんて知られたらいくらタカでも軽蔑するだろうよ!!
俺は席に戻らないでトイレの前にあった暖簾(のれん)?
ジャラジャラしたやつの所から携帯を触っているフリをしながらタカ達を帰るの待つ事にした。
しかし最悪の事態が起きた。
タカが美咲に気づいたのだ。
タカは友達に何かを伝えて席を立ち、彼女の元へと向かったのだ。
タカは俺の座っていた席に座り彼女と話し始めた。
何を話てるのか分からない
タカはしばらくして席を立ち友達の元へと帰った。
それから5分くらいしてタカは友達と一緒に店を出て行った。
俺はそれを確認して1分後くらいに彼女の元へと戻った…。
席に着くと彼女が
「お帰りなさい、遅かったですね」
と言った。
俺は
『ただいま、ちょと電話してた』
と書いた。
「そうですか、じゃあ仕方ないですねw」
彼女はタカの話は全くしなかった。
俺はタカと何を話していたのかそれが知りたかった。
しかし、俺から聞くのは変だ。
俺はこの時嫉妬していたのかもしれない
そして次の日。
俺とタカは毎日学校には一緒に登校していた。
しかし、この日からタカは必ずいつもより早い電車で行っていた。
俺は彼女に会う心配があるのでタカと行く事はなかった。
タカがその電車に乗る理由…予想はしていた。
だけど確かめたかった。
俺はタカに
「なんでわざわざ早い電車で行くの?」
と聞いた事があった。
それの答えは
「好きな人ができたんだ」
「その人に会いたいんだ」
彼女とは毎日メールのやり取りをしている。
彼女の事を知っていく上で俺はだんだん彼女の事を好きになっていった。
でも、あくまで向こうは俺の真の顔を知らない。
俺とメールをしていてもそれは俺じゃない…。
彼女と会ってもそれは俺じゃない…。
彼女に1番近いのは俺であって俺じゃないんだ…。
俺は諦めていた。
こんな関係いつまでも続く訳がない
タカは1人の男として彼女に向かっていってる。
だったら親友のタカを応援するべきじゃないか…。
俺はだんだん彼女のメールに返信しなくなっていった。
ついに俺はメールを無視し始めた。
無視してる間も彼女からのメールは絶える事はなかった。
『どうしたんですか?』
『何かあったんですか?』
『嫌われましたか?』
俺はそれを見るだけで心が辛くなった。
しかし、そんな生活が1週間くらい続いた時だった。
『お願いします…無視しないで下さい。最後でいいのでもう一度だけ会って貰えませんか?』
俺はこのメールを見た時、彼女の想いが伝わって来た…。
本当に会いたがってる。
俺は会って伝えなければいけない。
「さよなら」
と…。
そう俺は思った…。
俺は彼女より早く着いていたかったので、30分前に俺は待ち合わせ場所に向かったが彼女は既に待っていた。
どれだけ前から来てんだよw
彼女は前回の様には俺に気付かず、駆け寄って来なかった。
下をずっと見て、考え事をしているようだった。
俺が近寄り肩を叩いた…。
「あっ!こんにちは!来てたんですね!」
彼女は俺に驚き早口で言った。
俺はiPhoneを取り出し、
『こんにちは、今来たところ』
と書いた。
俺は前回入ったカフェを指差し
『入ろうか』
彼女はそれを見ると頷き
「はい…」
と一言。
そう言う彼女の顔に笑顔は無かった。
カフェに入ると前回と同じ席が空いていたのでそこに座った。
座って注文もせずに彼女が、
「あの!なんで…無視してたんですか?」
声が震えていた。
俺は彼女の目を見れなかった。
iPhoneに
『忙しくて』
とだけ書いた。
「そう…ですか…」
彼女は詳しくは聞いて来なかった。
沈黙の時間が続いた。
実際5分くらいだったと思うけど、俺にとっては1時間くらいに感じた。
はっきり伝えよう。
俺はiPhoneに
『この数日楽しかったよ、でもさようなら…もうあなたとは会えない』
と書いて彼女に見せた。
彼女は驚きを隠せない表情だった。
俺は彼女のそんな顔を見ていると…視界がボヤけた。
彼女が見えない…。
俺は泣いてるんだ。
彼女は俺の泣いてる顔を見て何を思ってどんな顔をしてるんだろう
俺は席を立ち、涙を袖で拭い、彼女に背を向けて立ち去ろうとした。
すると彼女が後ろから俺の腕を掴んだ。
「私…私は好きなんです!あなたの事が!」
彼女は叫んだ。
静かなカフェだがさらに静まり返る。
皆の視線が集まる。
しかし、そんな事より俺は混乱していた。
理解できなかった。
何言ってんだ?
俺の事が好き?
俺を?
でも次の彼女の言葉で俺は理解した。
「分かってます!同性の恋愛なんかおかしいって!でも…」
そうか。
男の俺じゃねーんだ。
彼女の視界に本当の俺はいない。
美咲とっての俺は…。
俺は彼女の手を振りほどき、走ってその場を逃げた。
走ってる間色んな事を考えた。
俺の悪趣味のせいで彼女を不幸にさせた…。
彼女の心の傷癒えるのだろうか…。
俺はその日から女装する事はなかった。
卒業して俺は県外のとある企業に就職した。
県外なので1人暮らし。
毎日大変だったが色んな事があった。
彼女もできた。
そして、5年もの月日が流れた。
仕事が終わり、家に帰るとポストに1通のハガキが入っていた。
なんだろう…。
見るとタカの結婚式の招待状だった。
あいつ結婚すんのか!
相手は…。
俺は膝をついて目を疑った…。
間違えない…美咲だ。
俺は自分がどんな感情を抱いているのかが分からなかった。
嫉妬?
友としての喜び?
色んな感情が出てきて吐きそうだった。
なんだよ!俺はタカと付き合って欲しいと思ってたじゃないか!
なのに…なのに…何でこんなにも胸が苦しいんだ…。
俺は結婚式を欠席した…。
それから半年後、俺は母に会う為に地元へ戻った。
母は時期に結婚する予定の男と一緒に住んでいる。
俺がいなくても安心だな。
俺はこの日母に夕飯を作る事にした。
近くのスーパーに出かけ品選びしていると…よく知っている声に呼ばれた。
昔から変わらない低い声…。
「○○!○○じゃねーか!」
髪を多少切ってるが昔から変わらない。
間違えなくタカだ。
だけど、隣にもう1人…。
この人だけは忘れらない
俺の傷つけてしまった人…。
「ねぇ…誰?」
「ああ…俺の昔からの親友だよ」
「そうなの?あっ、私美咲って言います」
知ってるよ。
コーヒーが飲めないのも知ってる。
恥ずかしがり屋なのも知ってる。
オシャレでメールはマメで…。
俺は泣いていた…。
「おい!どうした?大丈夫か?」
昔からお前は優しいよな。
「ごめん、お前見たら懐かしくてさ」
俺はふと美咲見た…。
美咲は驚いた顔をして、
「1…子…」
バレた…。
俺は途中買い物カゴをその場に置いて走って逃げた。
美咲は多分俺の事をタカに言ったであろう…。
そしたらタカは俺の事を許さないだろう…。
俺は母に何も言わずに電車で県外の家に帰った。
何も解決してないが、これで俺の人生で1番最悪で最低な物語の終わり…。
その後、携帯を変えてアド変してからはメールしてないから向こうは知らない。
しかし、実家に2人が来たと母から電話があった。
2人は母に
「久しぶりに○○に会いに来た」
と言っていたらしい。
昨日、母の結婚の件について電話した。
本当はこの件はまだ先で良かったんだけど、またタカ達が来てるか気になったっていうのも電話した理由。
母とは最初に新しい男とは上手くいっているのかとか色々話をした…。
話し終わって俺が母に
「タカがまた家に来たりしなかった?」
って聞いたんだ。
そしたら
「タカくんは来てないけど、タカくんのお嫁さんが来たわよ」
俺はヒビった…。
「なんて言ってた?」
と聞くと
「んー…あんたと会って話がしたいって言ってたわよ」
と言った…。
しかし俺がいないと分かるとすぐに帰ったらしい。
美咲は俺に会いたがってる…。
俺は彼女と会う度胸なんてないよ…。
しかし、美咲に会おうと伝える手段が…。
今持ってるメアドは5年前のだしなぁ
あれ?送れた?
もう使ってないアドレスだったら「使われておりません」って感じのくるよね?
返信来ました!
俺は
『こんばんは。お元気ですか?』
とだけ送りました。
返事は
『おはようございます。元気です。連絡頂けるとは思っていませんでした!ありがとうございます(顔文字)今度会ってお話できませんか?』
と来ました。
それでやり取りを続けて、土曜日に地元で会う事になりました。
俺は地元に戻り待ち合わせ場所に向かった…。
待ち合わせ場所は勿論前回と同じ場所だった。
俺は彼女より今日こそは絶対に早く着きたかったので1時間前に着いた。
流石に彼女はいなかった。
俺はとりあえず携帯をいじる…。
5分後くらいに声を掛けられた。
「今日はそれ使いませんよね?」
俺の携帯を指差し、笑顔を見せてきた美咲だった。
「もちろん使わないよ」
俺は動揺しつつも彼女に返事。
「ですよねw」
彼女の顔を見ると俺が犯した罪なんて忘れてしまいそうになる…。
しまった!!
まず謝らなければ…。
「本当にごめん!」
俺は頭を深く下げた。
「えっ、あっ大丈夫ですよ!気にしてないです!顔を上げて下さい!」
彼女の言葉を聞いて俺は顔を上げた。
「静かな場所で話しましょ」
彼女は言った。
「また会えたらねw」
「会えますよ。今度はタカくんと私と○○さんと3人で会いましょう」
「うん…」
今度会った時…言えるだろう…タカにきっちりおめでとう…と。
この日会った事で、俺の内にあった嫌なもんが無くなって綺麗になった気がする。
女装という悪趣味のせいで色々あったけど、何がともあれ俺の内ではハッピーエンド。
俺は十分これで納得だよ。